人間とは何か。自分の死を目の前にしてどう行動するか。人間と他の動物の違い何か。まともな人間とそうでない人間の違いは。生きる意味とは何か。人を愛するとはどういうことか。過酷な運命にどう対峙するか。人は誰でもいつか死ぬ。その死に方は千差万別だ。どれだけお金を稼いだとか,どれだけ美味しいものを食べたかとは,どうでも良い。他人に対してどう行動したか,人を心から愛したか,自分の死を恐れず,潔く死ぬ事ができたか。将来の人類の精神的な糧となる何かを残すことができたか。これらが,「どう生きるか」に通じるのではないだろうか。
中学校の卒業論文に,ある先生に,
「何を失うとも勇気を失う事なかれ」
と書いてもらったことを思い出した。
勇気にはいろいろな種類がある。勇気はどんな時に必要か。何があっても生き続ける,体が弱っても自分の心を平静に保つ,自分と他人の命を守る。新しいことに挑戦する。自分より強そうな人に立ち向かう。社会の中で批判されても自分の信念を曲げない。自分より弱い人を助ける。このような時に人の勇気,すなわち本当の強さが試される。「人間としての強さ」が勇気だろうか。
この本を読んで,少しだけ精神的に強くなった気がする。普通に働き,生きている事がなんと自由で幸せなことか,命の尊さが思い出される。
ヒットラーとナチスによる大量虐殺,人類の歴史の中でなんども繰り返される虐殺。21世紀の今日でも,世界のどこかで弱い人が虐げられ,殺される。このような愚かな行為はいつまで続くのか,どうしたら止めることができるのか。虐殺に対して戦っている人を応援しよう。
p.113
「苦悩と,そして死があってこそ,人間という存在ははじめて完全なものになる。」
p.125,スピノザより
「苦悩という情動は,それについて明晰判明に表像したとたん,苦悩である事をやめる。」
p.128,ニーチェより
「なぜ生きるかを知っている者は,どうように生きることにも耐えられる」。
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